STORY

私たち姉妹と
同じ想いの人に
届けたい。

2021年春。
私たちの母は、がんで亡くなりました。

日に日に食が細る中、
最期まで口にしていたのが
アイスクリームです。
舌の上で優しく溶けて噛む必要もなく、
母にとって救世主のような存在でした。
しかしたくさんの情報がある中で“闘病中にはあまり食べさせたくないな…”と感じる原材料も含まれており
罪悪感と葛藤を抱きながら、当時の私たちは答えを見つけられないまま母と別れました。

TABBY ICE CREAMは、
闘病中の母に食べてもらいたかったアイスクリームです。

母が食べ物を口にする姿に安心する一方、成分に後ろめたい気持ちを抱いていました。
そこで私たちと同じ境遇の方が罪悪感なく安心して食べることができるアイスクリームを開発するために、多くのことを学びました。
そしてついに、不安に感じる食材を一切使用しないアイスクリームが2023年夏に完成。
やっとの想いでここまで辿り着くことができました。

私たちのアイスクリームは健康志向のアイスクリームと言えば、そうかもしれません。

それでも「がん患者」さんに届けたいと声を大きくして伝えているのは、当時の私たちと同じ境遇の方に、少しでも早くアイスクリームを届けたいという想いが強いからです。

みんなで「同じ」アイスクリームを食べる、
かけがえのない時間を提供したい。

これが、アイスクリームを届ける方たちに共通している想いです。
食の制限がある人も無い人も、みんなで同じアイスクリームを囲む。
一口食べて、頬がゆるむ。

『一口ちょうだい。』

そんな時間を大切にしています。
あらゆる食の制限をポジティブなものに変換し皆を笑顔にすることが、
TABBY ICE CREAMの喜びです。

お母さんへ

やっとオープンすることができたよ。
お母さんと離れてからあっという間に2年が経って気づけばアラサーに突入してた。
まさかこんな早く別れると思ってなかったけん、この先どう生きていけばいいのかと
しばらく下を向いてたけど、やっと答えが見つかったように思います。
この事業をやると決めた時は、案の定お父さんから心配されました。
みんなを納得させられるように柄にもなく起業塾に入って勉強したり…
心臓バクバクでビジネスプランコンテストに出たり…
プレゼンをたくさんして毎回心臓に1本ずつ毛が生えていったのを覚えています。

おねえと協力して、衝突して、協力してついに形にすることができたよ。
アイスクリームのレシピに関してはめちゃくちゃ苦戦して苦笑する日々やった。
穀物感満載の失敗アイスクリームを経て、ついに納得がいくものが完成。
自信作のアイスクリームを食べてもらえんことが心残りやけど、
あと60年もすれば会えると思うけん持っていくね。

【がん患者さんの1つのツールへ】という目標と軸ができたけん、
ブレへんように初心を忘れず、これからはおねえと進んでいきます。
ここまで導いてくれてありがとう。
いってきます!

早紀より